医療・健康情報利用

● 医療ポータルと診療データ分析システムの開発

(1) 課題の目的

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図1 医療ポータルサイト画面

近年、電子カルテやオーダーリングシステムの普及によって病院内には様々なデータが電子的に蓄積されるようになってきた が、これらのデータを臨床応用·研究利用できている例は極めて少ない。電子データの2次的利用方法の確立とその開発は医療ITの分野にとって非常に価値が 高い。複数の医療施設で電子的に医療情報を共有化·比較分析することにより、治療効果等の科学的な評価をより高精度で行うことが可能となり、科学的な根拠 に基づくベストプラクティスや医療管理技術を確立を提案した。

(2) 課題の目標(ミッションステートメント)

医療情報を共有化し臨床研究のプラットフォーム作成を目指した

  • (1)医療従事者間で利用可能なクリニカルパスや診療用ガイドライン、診療情報分析ツール等の情報コンテンツ作成
  • (2)当該コンテンツを共有化するための医療情報ポータル構築
  • (3)診療データ分析システムの開発 病院内に分散するあらゆるデータを関連付けて分析することにより医療の質や経営の質を向上させる。

(3) プロジェクトの成果

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図2 診療データ分析システム概要図

医療情報を共有·相互利用することにより、医療の標準化や診療業務の効率化、医療従事者間の連携推進等を行うために、医 療従事者がこれらの情報(ファイル)をアップロード/ダウンロードするプラットフォームとしての医療情報ポータルを構築した(図1)。米国HIPAA法に 準拠した統合診療データウェアハウス(CDW:Clinical Data Warehouse)を用いて、病院内の電子カルテ等に蓄積された電子データを収集し、その利用方法やツールの開発·分析評価を行い、異なる電子カルテシ ステムを使用している複数の病院間で、同じCDWシステムを使って同一テーマでのデータ解析や比較分析が可能か検証し、さらには新たな利用方法の開発を 行っていく(図2)。