名古屋大学予防早期医療創成センター ワークショップのお知らせ

名古屋大学予防早期医療創成センター   ワークショップのお知らせ
日時      2011年1月28日(金)09:30~17:05
場所       名古屋大学東山キャンパス国際開発研究科8階オーデトリアム 他
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 趣旨      
名古屋大学では、予防早期医療に関わる広範で複合的な研究課題に対し、医工等分野を超えた連携や産学官の連携により、融合研究に取り組む拠点として「名古屋大学予防早期医療創成センター」を設置致しました。
来たる1月28日に、現在当センターで進行中の個別研究に関して、コンソーシアムとして突っ込んだ議論を行う為、テーマ毎のセッションを設定したワークショップを開催致します。
本ワークショップは、コンソーシアムメンバーの協働企業とアカデミアのセミクローズの形式を想定しています。
問い合わせ先      
当センターに関するお問い合わせは、下記までご連絡下さい。
PME拠点事務室

kou-kyoten@post.jimu.nagoya-u.ac.jp

⇒印刷用パンフレットpdfはこちら(1.83MB)

新年会
ワークショップ終了後、有志による新年会を開催します。
【場所】:名古屋市東区葵3-16-16 メルパルク名古屋   [» Google Maps]
【会費】:7,000円 ※ワークショップ会場からは送迎バスで移動します
プログラム
各セクションのタイトルをクリックするとそれぞれの詳細に移動します 
時間 オーディトリアム 第1会議室
10:00~10:10

挨拶 濵口道成 名古屋大学総長

 
10:10~12:15

1-1




車載モニタリング技術
生体計測にむけた物理センサ

座長:大日方五郎 エコトピア科学研究所 教授

2-1




大豆ペプチドの可能性
ペプチドアレイによる小児食物アレルギ診断

座長:本多裕之 工学研究科 教授

12:30~14:35 1-2 ITを使った臨床研究・地域連携
座長:直江知樹 医学系研究科 教授
2-2 グローバルヘルスと簡易迅速診断
座長:渡慶次学 工学研究科 准教授
14:50~16:30 1-3 非侵襲センサによる病院内・在宅のモニタリング
座長:吉田茂 附属病院メディカルITセンター長
2-3 遺伝的体質と生活習慣との交互解析による生活習慣病予防
座長:浜島信之 医学系研究科 教授
16:35~17:15 全体俯瞰・まとめ
座長:松尾清一
副総長・医学部附属病院長
 
[1-1]
オーディトリアム 10:10~12:15
生体計測(車載モニタリング技術・生体計測にむけた物理センサ)
時間 タイトル 内容
10:00~ 挨拶:濵口道成 名古屋大学総長
10:10~

車載可能なセンサによるストレス・疲労の推定
名古屋大学エコトピア科学研究所 特任助教 徳田暁

車載機器で自動的に運転者状態、特に疲労度合を推定するシステムの設計を目標とし、各種の生理指標を計測した。その中でも大部分の被験者で共通した指標変化パターンが循環器系の値に見出され、疲労状態の推定可能性が示された。
10:34~

センサフュージョンによる運転時イライラ検出
名古屋大学情報科学研究科 教授 武田一哉

多様なセンサーを併用して、運転者の周囲環境とその環境に応じた運転行動とをシステム的に計測・理解することで、自動車運転時のイライラのような、人間の心的状態の変化を同定する手法を議論する。
10:58~ 車載モニタリングシステム:推定血圧
中部大学生命健康科学部 教授 野田明子
高血圧は動脈硬化・心血管病と密接に関係し、その早期予防は重要である。血圧管理において毎日の血圧測定とその変化の把握は有用であり、近年種々のタイプの血圧測定法が提案されている。今回、自動車内における新たな血圧管理法を紹介する。
11:22~ 画像処理に基づく触覚センサの仕組みと機能
名古屋大学エコトピア科学研究所 教授 大日方五郎
柔らかい接触部を持つ触覚センサの原理とそのセンサを用いてどのようなことができるのかを説明する。ロボットハンドによる器用な操作や義手、義足などへの応用の可能性を示す。
11:46~ 未知物理パラメータの瞬時計測手法とその応用
名古屋大学工学研究科 機械理工学専攻前期課程1年 伊藤良介
運動方程式中に現れる粘性係数等の未知の物理パラメータに対し、制御理論に基づきシステムの入出力情報を利用する瞬時計測手法を示す。また、応用例として検討中である 1.血液等の粘性同定2.手術用ロボットについて展望を紹介する。
12:10~ 座長まとめ  大日方五郎 エコトピア科学研究所 教授
12:15~ 休憩
[2-1]
第1会議室 10:10~12:15
ペプチド(大豆ペプチドの可能性・ペプチドアレイによる小児食物アレルギ診断)
時間 タイトル 内容
10:10~ 大豆ペプチドの生理利用
不二製油 研究本部 フードサイエンス研究所 主任 本山貴康
健康に良い食物として食物である大豆は、多くの生理機能ペプチドが同定され、他の食品由来ペプチドと比較して高い効果を発揮する機能についても明らかとなってきている。その中でも抗酸化・抗炎症機能について着目した近年の研究内容について報告する。
10:34~ 酸化ストレスによる病態と食品成分
愛知学院大学 心身科学部 教授 大澤俊彦
老化制御と酸化ストレス:生活習慣病発症と酸化ストレス:過剰な炎症反応と酸化ストレス:酸化ストレスバイオマーカーを搭載した「抗体チップ」の開発:酸化ストレス制御食品開発への応用:新規な抗酸化食品開発へのアプローチ
10:58~ アレルギー診断用ペプチドアレイ
span style=”font-size: 10pt; font-family: arial, helvetica, sans-serif;”>名古屋大学 工学研究科 教授 本多裕之
ミルクタンパク質由来のペプチドを全網羅してスライドガラス上にアレイ状に固定化したアレルギー診断用ペプチドアレイを開発した。患者血清約150検体を収集し、本アレイで発症に直結するエピトープを探索し、正診率86%に達する新規診断法の確立に成功した。
11:22~ ペプチドアレイの基礎・臨床 免疫学への応用
名古屋大学 医学部保健学科 教授 川部勤
ペプチドアレイを用いた抗原特異的な抗体の基礎医学的 知見に基づく解析は、アレルギー性疾患の診断を高精度化し、また感染症や自己免疫疾患の既往、診断、治療、さらに治療の効果判定に有用と考えられる。ミルクアレルギーへの応用例を中心に紹介する。
11:46~ 食物アレルギーに対する経口減感作療法
あいち小児保健医療 総合センター 内科部長 伊藤浩明
経口減感作療法は、アナフィラキシーを誘発する食品を微量から漸増摂取して、短期間のうちに摂取可能にする画期的な治療法として期待されている。治療の安全性確保や、メカニズムの解明(一過性の脱感作か、免疫寛容の獲得か)が急務である。
12:10~ 座長まとめ  本多裕之 工学研究科 教授
12:15~ 休憩
[1-2]
オーディトリアム 12:30~14:35
ITを使った臨床研究・地域連携
時間 タイトル 内容
12:30~ 臨床研究の実際 C-SHOT事例紹介
名古屋大学 医学系研究科 講師 熱田由子
白血病や悪性リンパ腫などの血液悪性疾患を対象とした臨床試験や我が国で実施されている造血細胞移植の登録研究をデータ管理・システム開発という側面からサポー ト・推進している血液疾患臨床研究サポートセンター(CSHOT)の活動を紹介する。
12:54~ トヨタ記念病院と名大病院との連携事例(CDW)
名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンター センター長 吉田茂
米国HIPAA法に準拠した統合診療データウェアハウス (CDW:Clincal Data Warehouse)を用いて、異なる電子カルテシステムを有する名大病院とトヨタ記念病院との間で、同一クエリー(検索式)でのデータ抽出を行い、比較分析を行った結果を報告する。
13:18~ 名大の森
名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンター センター長 吉田茂
名大病院では、基幹電子カルテシステムと連動するユーザーメードシステムとして、市販データベースソフトである FileMakerによる診療支援システムが稼動している。その内容は、疾患管理、文書作成、CDSS(Clinical Decision Support System)、予約台帳、外部DB登録用などである。
13:42~ 新しい国民病、慢性腎臓病(CKD):愛知県におけるCKD診療連携の取り組み
名古屋大学医学系研究科 准教授 安田宜成
ミルクタンパク質由来のペプチドを全網羅してスライドガラス 上にアレイ状に固定化したアレルギー診断用ペプチドアレイを開発した。患者血清約150検体を収集し、本アレイで発症に直結するエピトープを探索し、正診率86%に達する新規診断法の確立に成功した。
14:06~ 地域連携システムについて
富士通 ヘルスケアソリューション 本部 医療システム事業部 第4システム部 プロジェクト課長 増田忠司
医療機関同士が診療情報を統合的に扱う「疾患別データベース」構築を目指す。セキュアな環境で医療情報が取り扱えるようネットワーク基盤として地域連携パッケージを導入し、疾患別データベース構築には「ファイルメーカー」を利用、医療者自らが情報を有効活用するための取り組みを行っている。
14:30~ 座長まとめ 直江知樹 医学系研究科 教授
14:35~ 休憩
[2-2]
第1会議室 12:30~14:35
グローバルヘルスと簡易迅速診断
時間 タイトル 内容
14:50~ グローバルヘルスと簡易迅速診断技術
名古屋大学工学研究科 准教授 渡慶次学
地球規模の保健医療(グローバルヘルス)、特に開発途上国の疾患(感染症など)の蔓延を解決するためには、簡便かつ安価な検査システムの開発が必須である。近年、グローバルヘルスを目的としたマイクロデバイスの開発が注目されている。本講演では、これらの中から最近大きな注目を集めているPaper-based devicesについて紹介する。また、新しい診断技術としてのマイクロデバイスの可能性についても紹介する。
12:54~ Lab on a paper によるシングル ステップ酵素増感免疫測定法
北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科 准教授 高村禅
紙上に試薬と疎水パターンを印刷しておき、検体を一端から展開することで、ある程度の溶液操作を伴った検査が可能である。この Lab on a Paper技術を用いて検体・洗浄・ 基質の導入を自動化し、酵素増感型の免疫測定法を1度の操作で実現する。
13:18~ 核酸化学を利用した非標識遺伝子検査
名古屋大学工学研究科 助教 樫田啓
有機合成化学の進歩により様々な人工核酸が合成され、その一部はプローブ等へ実用化されている。我々はこれまでに核酸を特異的に検出するモレキュラービーコンの開発に成功し、その応用の一環として非標識DNAマイクロアレイの開発を行っている。
13:42~ 超高感度・迅速マラリア診断用細胞チップの開発 
産業技術総合研究所 健康工学研究部門 研究グループ長 片岡正俊
マラリアは年間100万人が死亡する赤血球に寄生する寄生虫感染症である。直径100mmのマイクロチャンバーを1万個形成した細胞チップを感染赤血球検出に用いることで、15分の検出時間で既存の光学顕微鏡法と比べ100倍の超高感度検出が可能になり、発症前診断が可能になった。
14:06~ カクテル増幅とDNAクロマト技術を使った感染症迅速診断 
岐阜大学・大学院 病原体 制御分野 教授 江崎孝行
多種類の病原体の遺伝子をカクテル増幅、さらにその増幅産物を識別する多項目DNAクロマト法の開発を行っている。この技術を使ったスクリーニング法は簡便で食品検査、感染症検査に広く普及する可能性を持っている。
14:30~ 座長まとめ  渡慶次学 工学研究科 准教授
14:35~ 休憩
[1-3]
オーディトリアム 14:50~17:15
非侵襲センサによる病院内・在宅のモニタリング
時間 タイトル 内容
14:50~ 病院・在宅モニタリングのニーズについて
三つ葉在宅クリニック 代表・医師 舩木良真
在宅医療においては病院と違って、医療のモニタリングを看護師が行うという体制ができていない。また扱う情報が医療の1次情報(画像や検査)より、主観的な情報や2次情報(サマリ)が主なため、モニタリングも形が変わってくることが考えられる。
15:14~ モバイルを利用した在宅管理
富士通株式会社ユビキタスビジネス戦略室プロジェクト 統括部長 内島誠
地域医療機関を核としてPME対象者の生活活動情報を収集し、情報共有を通して、一人ひとりの中長期的な健康改善を促す。携帯電話を活用した手軽な情報収集手段を提供するとともに、SNSによるコミュニティーを形成し継続的な活動を支援する。
15:38~ 複数のセンサを併用した院内/在宅モニタリング
富士通研究所 センシングソリューション研究部 部長 若菜伸一
加速度センサ等を用いた行動情報と、心拍、体温等の生体センサ情報、および無線センサタグを用いた位置情報等の異なるセンサ情報を統合して把握・解析することによる、院内/在宅における人の様態モニタリング技術についての検討状況を報告する。
16:02~ 生体モニタリングセンサ
デンソー 研究開発1部 特定開発室ME 担当次長 中川剛
デンソーで開発してきた生体モニタリングセンサである睡眠中の自律神経活動変化を正確に捉えることができる腕時計型脈波センサと、睡眠時無呼吸症候群を無拘束に検査できる医療機器としてのスリープレコーダーについて紹介する。
16:20~ 座長まとめ
吉田茂 附属病院メディカルITセンター長
16:35~17:15 全体まとめ
松尾清一 副総長・医学部附属病院長
[2-3]
第1会議室 14:50~17:15
遺伝的体質と生活習慣との交互解析による生活習慣病予防
時間 タイトル 内容
14:50~ 企業の健康づくり-トヨタ自動車の場合-
トヨタ自動車 安全健康推進部 主査 統括産業医 岩田全充
産業保健活動の発展により、古典的な職業病はかなり減少し、替わって企業体質の強化という点から生活習慣病の予防が企業の健康づくりの中心的な課題となった。特に 肥満、喫煙、メンタル不調対策がその代表である。それらについて弊社の活動を紹介する。
15:14~ メタボリックシンドロームの包括的予防
名古屋大学工学研究科 教授 本多裕之
メタボリックシンドロームの包括的予防を目指して、日本ガイシ社員2061名の同意のもと、個々人の遺伝的体質(SNP)と生活習慣(過去7年間の健診データ)を組み合わせて発症リスクを解析した。オッズ比が4を超えるものも含め25個の組み合わせリスクを発見した。
15:38~ 遺伝的体質に基づくがんの予防法
愛知県がんセンター研究所 疫学・予防部 室長 松尾恵太郎
がんは日本人の2人に1人が罹る生活習慣病である。同じ生活習慣をしていても、がんにかかりやすい人とそうでない人がいる。この差を決めているのが遺伝的体質である。遺伝的体質を知ることで、自分にあった予防を考えることが可能になる。
16:02~ 日本におけるコホート研究の現状と未来
名古屋大学医学系研究科 教授 浜島信之
長期大規模コホート研究には、政府(または研究団体)が事業として実施する方 法と、公的科学研究費により研究者が実施するものとがある。前者は高額の費用がかかり、研究論文は少ない傾向にあり、後者では研究者の負担は大きく、研究費使用に制限が大きく、組織が流動的になる可能性がある。コホート研究の実態に沿う組織形態を政府が許容しなければ、わが国の研究は更に遅れることになろう。
16:20~ 座長まとめ 浜島信之 医学系研究科 教授

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